国際ロータリー第2790地区ガバナー挨拶

2017-2018 国際ロータリー 第2790地区ガバナー 寺嶋 哲生


A はじめに
 2017-18年度、RI第2790地区のガバナーを務めさせて頂きます。
 ガバナーとは、私にとりましては身に余る職責ではありますが、誠心誠意努力致す所存です。
 皆様のご支援とご協力をお願い申し上げます。

B RI会長テーマ
 イアン・ライズリーRI会長は、2017-18年度RIテーマを「ロータリー:変化をもたらす」(英文「ROTARY : MAKING A DIFFERENCE」)と発表されました。
 私は、ライズリーRI会長は、このテーマを通じて次の3つの事について言及していると思います。
 一つ目は、RIの標榜する世界有数のボランティア団体を目指すという方向性を、会長自らも継承し、推進するという事。
 二つ目は、その為に、私達ロータリアンに、実践的・具体的な奉仕プロジェクトを強く推奨している事。
 三つ目は、その奉仕プロジェクトは、決して自己満足に終始することなく、受益者の人生や境遇を変える結果を伴うものとすべき事。
 会長エレクトの真意は、このようなものであると、私は理解致しました。

C 地区運営に関する基本的な考え方
 地区を運営するにあたり、@理念と実践、A事業と運営、B継続と革新の三つの観点から考察致します。

理念と実践
 決議23-34が採択される前夜は、職業倫理を重視する理念派と、金銭的奉仕や身体的奉仕といった実践的奉仕活動を重視する実践派が、その対立を深めていたと聞き及びます。
 只今のRIは世界最大のボランティア団体を目指し、DLPやCLPの導入を推奨しておりますが、その方向性に対しては、職業倫理を軽んじているとの批判を間々耳にいたします。
 他方実践派からは、理念にのみ拘泥されるスタンスは、もはや世界の潮流に逆行し、ロータリーの衰退に繋がるとの批判もあるようです。
 私は、この理念と実践は二者択一ではなく、当然に共存できるものと考えます。
 例えば2790地区の中に、理念を重視するクラブと実践に重きを置くクラブが共存する。或は、同じクラブの中に、双方の会員が共存する。
 更には、高潔な職業倫理を抱きつつ、具体的な奉仕活動を実践する会員が存在する。
 これらの事には何の不都合もなく、ロータリーを意義あるものと致します。
 理念の選択は実践を否定せず、実践は理念を否定しない。私は、そのように考えます。

事業と運営
 公益法人の判定基準では、経常的支出に占める公益事業費が50%を超えていることが必要とされます。
 ロータリーがボランティア団体を目指すのであるならば、当然に、法人運営に関わる経費の相対的な矮小化を意識すべきであります。
 人口が減少し経済規模が縮小する今後の日本において、一定の公益事業水準を維持するためには、絶対値としての法人運営費を圧縮すべきことは明らかでありましょう。
 2790地区は、いわゆる人格なき社団ではあるものの、運営を円滑に行うと共に、如何に公益目的事業比率を上げることができるのか。それを検討したいと考えます。

継続と革新
 決議23-34には、ロータリーの行う奉仕活動は一会計年度において完了し、毎年度異なる事業を行う事が望ましい旨示唆されております。
 RI会長、地区ガバナー、クラブ会長、全ての任期が一年である以上、この単年度主義は合理的な慣習ではあったと思われます。
 しかしながら、最近になって戦略計画委員会の設置が推奨され、あるいはロータリー財団委員長の任期が3年となるなど、事業の継続性が推奨され始めております。
 ロータリーが職業倫理を掲げ、実践的奉仕活動も会員個人の資質に委ねられていた過去のある時期においては、単年度主義は合理性を持っていたと言えましょう。
 しかしながら、団体としての金銭的身体的奉仕活動が推奨され、奉仕を標榜する団体である事に存在意義を見出そうとするならば、自己満足に終始しない奉仕活動の実践には、専門性を伴う継続性を具備すべきである事は、想像に難くありません。
 更に、継続性を備えたノウハウの蓄積は、ただ惰性を産むこととは一線を画し、創造的な革新に繋がるものと期待できます。
 端的に申せば、事業に対する習熟を経た後に、初めて可能となる改善や革新がある。
 地区の設置する委員会においても、継続性を担保して革新の土壌を育む、そんな状況を意図したいと考えます。

E 2017-18年度行動指針
 「理念と実践 〜Think Next〜」
 2016年の規定審議会による改変は、ロータリーの活動における方法論としての柔軟性を認めてはいるものの、ロータリーの目的(綱領)や中核的価値観は不変であり、職業倫理を中心に奉仕の理念を掲げるロータリーの本質は全く変わっていないものと考えます。
 その理念を啓蒙し、理念を共有する会員の輪を拡大する為の手段として、身体的奉仕や金銭的奉仕の実践が求められるものと思います。
 RIが実践的奉仕活動を求めるならば、その実践を高潔足らしめる理念の再考は不可欠でありましょう。
 社会情勢の変化に適合し、更なる深化を期待して、次代の対応を考える。そんな思いから、「理念と実践 〜Think Next〜」を行動指針と致します。

F むすびに
 RIの定める各地区は、各クラブの成功を後押しし、各クラブの活性化を支援する事を目的としております。
 つまり、ガバナーやガバナー補佐、地区委員会は、全てクラブ会長のリーダーシップを支援する為に存在するものとご理解ください。
 2016年に行われた規定審議会の改変は、会員の資格要件や例会の運営方法において、クラブ単位の大きな裁量権を認める結果となりました。
 各クラブは、独自に戦略計画を立案し、魅力あるクラブとなる事が望まれております。
 これから会長年度を迎える皆様には、折角の機会を無にすることなく、充実したクラブ運営を図って頂きたく、強くご期待申し上げます。