国際ロータリー第2790地区ガバナー挨拶

2020-2021 国際ロータリー 第2790地区ガバナー 漆原摂子


コロナと共生する時代へ
 2020−21年度国際ロータリー第2790地区のガバナーを拝命致しました。重責を鑑み身の引き締まる思いでございます。加えて5月現在、新型コロナウイルス感染症の拡大防止へ向け、様々な活動制限が続いております。大変遺憾ながら、ワクチン開発までは長い道のり、私達は当面このコロナ・パニックから逃れることは出来ません。

今こそ「つながりconnect」を、そして新しい機会の扉を開きましょう!
 今このような状況下、最も大切なことは、クラブ会員の皆様の健康・安全です。次には、会員の皆様が所属クラブ、そしてロータリーにつながり続けていただくことです。多くの会員の皆様はその事業にも影響を受け、ロータリーどころではないという方々もおいでかと拝察致します。どうか、昨年のRIテーマの一部「つながり=connect」を継承し、クラブ会長の皆様には、会員への積極的なお声がけを実施の上、会員のクラブ離れを防ぎながら、オンライン例会や理事会の導入、クラブ年会費の見直しなど、今までにない新しい「機会の扉を開く」試みをお願い申し上げます。

 ガバナー補佐の皆様をはじめ、地区委員は地区内クラブのサポーターです。我々は今後も、刻々と変わるコロナ禍の状況に迅速かつ柔軟に対応し、有用な情報の発信や、可能な限りの支援活動を実施してゆく所存でございます。

 今回のコロナ禍もいずれ終息するものと信じております。そしてそれに伴いロータリー活動も速やかな再開を目指すべく準備として、次年度のRI会長テーマ及び方向性、そして地区運営方針をお伝え申し上げます。

RI会長テーマについて
 次年度RI会長、ホルガー・クナーク氏(ドイツのヘルツォークトゥム・ラウエンブク・メルンRC会員、職業:不動産業)は、最初の本会議でのスピーチの冒頭、マーク・マローニー会長が強力に推進してきた、Growing Rotary(ロータリーの成長)の概念を引き継いでゆくことを表明されました。次年度RIテーマ「ロータリーは機会の扉を開く(RotaryOpens Opportunities)」について:扉の向こうには、私達ロータリアンが、自分自身を磨く為の新しい環境や学びの機会があるかもしれない。あるいは、困っている人々のために役立つ機会が待っているかもしれない。私達ロータリアンは、People of Action(世界を変える行動人)です。例会をはじめ、クラブ内の活動を通じて培われる親睦と奉仕の心の形成を基盤に、あらゆる場面で、自分の為に、また他人の為に、数々のServiceへ繋がる扉を、個人でもクラブ単位でも、どんどん開いていきましょう、というメッセージであると受け止めております。更に次のように口述されました。

*会員増強の数字だけを掲げて成長を求めるのではなく、現会員を維持しつつ、自分のクラブに合った新会員に入会していただき、その新会員には生涯のロータリアンになってもらうことが大切です。
*ロータリーの4つの戦略的優先事項を実践することは、ロータリーの成長につながり、デジタル時代にロータリーが適応する一助となります。
*すべてのロータリークラブは、少なくとも年に1度、戦略立案会議を開いていただき、5年後にどのようなクラブになりたいかを自問すべきです。

 このように、ここ数年の歴代会長と同じく、大胆な改革や若い人々の参加を促し、ポリオ根絶を呼びかける一方、単なる会員数の向上だけに拘るのではなく、自分のクラブに合った慎重な会員選びを提言され、ロータリーの4つの戦略的優先事項及びクラブ戦略計画の重要性を説かれました。直近3代の英語圏のRI会長の方々とは少しニュアンスの異なる、ささやかな主張を盛り込んだスピーチに、素敵な印象を持ちました。そして、ロータリーに入会するということは、多様で無限の奉仕する機会への扉を開くことが出来るのだと締めくくられました。

4つの戦略的優先事項
 国際ロータリーとロータリー財団のビジョンを達成するため、昨年7月1日より向こう5年間の活動を方向づける、RIの4つの戦略的優先事項は、ガバナーエレクトとして参加致しました本年1月の国際協議会全般を通して強調されました。改めて以下記載致します。

 1.より大きなインパクトを与える
   ポリオ根絶運動をはじめ地域や世界での私達の奉仕活動が、周囲に強い印象を与えます。

 2.参加者の基盤を広げる
   年齢・性別・国籍など多様な参加者を募ることで、多くの新しいアイデアが生まれます。

 3.参加者の積極的なかかわりを促す
   様々な活動に参加者がやりがいを見出せるようにフォローをし、更に次の活動に進んで取り組んでもらいましょう。

 4.適応力を高める
   研修や親睦活動を通して、クラブの現状そしてロータリーの過去・現在を学び、将来を見据え、柔軟に対応する能力を身に付けましょう。


 この4つの優先事項の実践は、ロータリーのビジョン声明の実現に繋がっています。昨今では、4つの行動計画とも言われております。またこの優先事項の土台となっているものは、私達が昔から大切に守り続けてきたロータリーの目的であり、4つのテストであり、5つの中核的価値感といった不変のものです。

次年度地区スローガン
 2020年は、日本に最初のロータリークラブ(東京ロータリークラブ)が設立されてからちょうど100周年を迎える年です。この節目の年である次年度は、原点、ロータリーの目的「意義ある事業の基礎として奉仕の理念を奨励しこれを育むこと」に戻り、
クラブが主役となり、奉仕の理念の実践を!

というスローガンを用いたいと思います。
 奉仕の理念(The Ideal of Service)、すなわち、サーヴィスという考え方、そしてそれは、RI事務総長を32年間勤めたチェスリー・ペリーが易しく解説した「他人を思いやり、他人のためになることをしようという考え方」であります。

 ご周知の通り、RIを構成しているのはクラブです。従って、クラブそしてクラブ会員が主役となるのは当然でございます。クラブレベルで、会員の皆様が奉仕の理念を実践するということは、先に述べた4つの優先事項のローテーションのスタートなのです。個人でもクラブ単位でも、私達の地域や世界での奉仕活動は、周囲により大きなインパクトを与えます。その結果、賛同し仲間に入りたいと希望する参加者の基盤が広がります。多様な参加者のアイデアに丁寧に耳を傾け取り入れることで、その参加者はやりがいを感じ、更に積極的にかかわってくれるでしょう。そしてクラブ内では親睦を育むと共に、研修を通してクラブの現状やロータリーの過去・現在を学び、クラブそしてロータリーの将来に備え、かつ周囲の状況に柔軟に対応出来るよう、適応力を高めることが大切です。この4つが繰り返され続けることで、数多くの機会の扉を次々と開いていくことが可能となり、結果クラブは質・規模ともに向上拡大するのだと考えます。

仲間に対する思いやりを
 一方、冒頭にも申し上げました通り、今最も大切なことは、クラブ会員の皆様の健康、そして皆様が所属クラブ及びロータリーにつながり続けていただくことです。主役となられるクラブそして会員の皆様が、お互いに、「奉仕の理念=The Idealof Service=他人を思いやり他人のためになること」を実践していただく、まずはここからスタートしていただき、皆様がクラブから離れてしまわないことを願います。

 現在はコロナ禍の影響を受け、地域や世界で活動を伴うような奉仕の理念の実践は、直ぐには叶わないかと思います。あるいはこの時期を充電期間と捉え、まずはクラブの皆様が強固なつながりを継続し、お互いを思いやりながら、次にはクラブ戦略計画を立てていただき、会員一丸となって、4つの優先事項のローテーションに取り組む準備をするよい機会であると考えます。

特にデジタル化時代への適応力を高めましょう
 さて、4月29日の地区研修・協議会が当地区初のオンライン形式で実施されたことは、周囲の厳しい状況に柔軟に対応し、適応力を高めた結果の一つです。今後は各地区委員会の会合はもとより、各クラブの理事会や例会につきましても、このデジタル化時代への適応力を高め、オンラインによる例会開催など、新たな機会の扉を開くことを願っております。

 一方ここで大切なことは、オンライン環境を準備出来ない会員の方々への配慮です。例えばオンラインでのクラブ例会に参加出来ない会員の皆様には、速やかに週報を発行してお送りし、クラブの方向性や理念、活動を共有していただくなど、決して取り残してしまうことのないようにお願い致します。特にクラブ会長の皆様には、例会に代わる会長挨拶のFAXやメールによる配信を実施していただき、クラブ会員のクラブ及びロータリーへ対する関心をはじめ、会員相互の親睦の心が途絶えることのないようにお願い致します。

地区組織
 次年度地区組織は、今年度をほぼ踏襲致しますが、青少年奉仕委員会を前年度の奉仕プロジェクト統括委員会から外し、前年度の青少年プログラム委員会と合体させて、青少年奉仕・青少年育成委員会と致します。更に、同統括委員会にロータリー学友連絡小委員会という委員会を設け、RIのロータリー財団委員会内にあります奨学生・学友小委員会の学友部門との近い将来の統合を検討します。

 また昨秋の台風により、当地区は甚大な被害を受けました。もし、斯かる状況の再発が予想される場合には、社会奉仕委員会を中核とする対策委員会を立ち上げます。その際、ガバナー補佐の皆様には担当クラブの情報収集をお願いし、クラブ支援に対応致します。

 昨年の諸岡靖彦ガバナーが立ち上げられた、地区リーダー育成会議という部門があります。2002年度にRIより各地区にて正式に導入が義務づけられたDLP(地区リーダーシッププラン)の一つに、ガバナー補佐制度があります。ガバナー補佐は、それまでの分区代理とは異なり、ガバナーの分身となり、担当クラブに対して公式にガバナーの補佐業務を行うと定義されています。当地区においても、ガバナー補佐に加えガバナー等、将来地区のリーダーとなる人材を育成するための研修制度を追求する、これはそのような会議の場です。

 次年度は日本のロータリー100周年に加え、また、2021年3月には東日本大震災から10年の節目を迎えます。これらを鑑み、地区内クラブを鼓舞するため、また今まで地区チームにあまり関わっていらっしゃらなかったクラブの皆様との距離を近づけるために、地区内にFestive Year委員会を組織し、2021年5月開催予定のチャリティイベントを企画致します。そして地区内ロータリアン及びそのご家族、また広く一般へ、@ポリオ根絶A希望の風奨学生、この2つへの関心とご寄付を募りたいと考えます。このイベントが実施されるという事は、新型コロナウイルス感染症の終焉を祝う事であると考えますし、これがロータリーの公共イメージ向上につながり、結果会員基盤向上に帰結することが出来ればと思います。この委員会は特別予算を組み、イベント実施に向けて計画を進めて参りますので、地区内クラブ会員の皆様のご理解ご協力をお願い申し上げます。

 現在はロータリー諸活動がままならない状況ですが、皆様におかれましては十分健康に留意され、クラブ会員同士のつながりを強化していただき、お互いを思いやりながら、次年度RI会長テーマ及び地区活動方針を熟考なさって下さい。それを受け、クラブがその規模・カラーや地域性に見合った戦略計画を立て、クラブが主役となって、4つの戦略的優先事項(行動計画)に基づいた奉仕の理念を実践し、より多くの機会の扉を開く、その準備をお願い致します。ギリシャ神話にありますパンドラの匣に、ただ1つ残されたという「希望」、これを信じましょう。

国際ロータリー第2790地区  
2020-21年度 ガバナー  
漆 原 摂 子